キャンプに行くためのバイク選びを始めている人に向けて、キャンプツーリングに向いているバイクの特徴と、その特徴に沿ったおすすめのバイクをいくつか紹介する。
しかし、ただただ記号のようにおすすめを羅列するのも退屈だから、始めに自分の心構えを残す。
バイクは好みで選べ
見た目だったり、パワーだったり、燃費だったり、自分の中の条件の1番を最優先にして選んで欲しい。そうすれば他のことに後悔しても、1番の理由だけは残るから愛し続けられる。
この記事を読んで、「これとあれどっちにしようかな」「これでキャンプ行けるかな」なんて悩んでる人の指標の一助になれば幸い。
キャンプツーリングに外せない条件2つ
ここで説明するのはバイクの特徴ではなく、自身の経験に偏った前提条件。つまり偏見。ここを押さえておかないと買った後に後悔すると思うので、自身にとって重要かどうかしっかり検討することをおすすめする。
高速道路に乗れること(排気量が126cc以上)
キャンプ場というと必然的に人里から離れていて、長距離になることが想定される。キャンプツーリングというのだから下道でのんびりツーリングを楽しみたいという気持ちは分かるが、それとは裏腹に帰りは疲れていてそれどころでは無い。
意外とキャンプって精神的には癒されるけど、体力的には消耗すると言うのがキャンツー歴2年の俺の見解。
さらに近年、バイク料金の低額化が進んで来て2022年4月から半額化が実施される見通し。これを利用しない手は無い。嬉しい助かる。
車検が不要なこと(排気量が250cc以下)
独断と偏見だが、この記事に辿り着いた人の多くはお金がないと思われる。なぜなら、お金があるなら車を買う方がベターだから。だからその辺の心配がなくてただ単に大型乗りたいって言う人はここを無視してもオッケー。
以上の条件より、以後おすすめするバイクは126cc〜250ccのものとするが、それ以外にもキャンプツーリングに必要なバイクの特徴を紹介するので、それ以上の排気量を選ぶつもりの人にも役立つはず。
キャンプツーリングに向いている特徴4つとおすすめバイク
兎にも角にも積載量:Vストローム250
価格(税込) | 613,800円 |
ケース付き価格(税込) | 690800円 |
燃費 | 39.0km/L |
タンク容量 | 17L |
走行可能距離(燃費×タンク) | 663km |
シート高 | 800mm |
重量 | 189kg |
これからキャンプをやりたいと意気込んでいる人は、まず積載に目を向けて欲しい。何でかって言うと、そのバイクでキャンプに行けるか行けないかの差は可能積載量に掛かっている。マジで。
じゃあ大体どれぐらい積めたら良いのかって言うと、およそ50L(リットル)が必要となる。これは単純計算で大体一辺が40cmの立方体ほどのサイズ感。
その容量が純正ケースで賄えてしまうのがこのVストローム250。カタログを読むだけでキャンプのために生まれてきたことが分かる THE キャンツーバイク。
ぶっちゃけ、どこの紹介記事を読んでも書いてあるし、バイク屋に行っても「キャンプに行きたい」と伝えれば二つ返事でVストロームと返答がくるぐらい王道にして定番。そして公式画像を見て分かるように、キャンパーに対しての訴求が抜かりない。
さらに単純な積載量の他にも多くのメリットがあり、どれもキャンプツーリングに役立つものとなっている。
- 合計63L(リットル)が積載可能な純正ケース(別売)
- カウル、スクリーンによる防風効果
- シートバッグ取り付け可能なリアキャリア
- 17L(リットル)の大容量燃料タンク
- 悪路でも駐車可能なセンタースタンド
- 転倒時にも寒風にも強いハンドガード
難点は純正オプションゆえの高額化。トップケース27,500円にサイドケースが左右で49,500円なのでおよそ8万円のプラスである。が補って余りあるキャンプ力を有していることを考えれば高くは無いように見えてくる。いや、こないか?
じゃあ、こんな積載量を搭載しているバイクしか選べないのかって言うと、そうでもなくて工夫次第で割となんとかなったりする。こちらは一例として自身のレブルのキャンプツーリングを紹介しているので参考までに。
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悪路でコケたくないから足つき性:レブル250
価格(税込) | 599,500円 |
燃費 | 46.5km/L |
タンク容量 | 11L |
走行可能距離(燃費×タンク) | 511.5km |
シート高 | 690mm |
重量 | 170kg |
キャンプ場ともなるとほぼ毎回、砂利道を走らせられる羽目になるので、いつもコケないことを祈りながら足をズリながら走っている。
一人の時にコケると励ましてくれる人もいないから、家に帰るまで尾を引くほどのメンタルダメージを負う。それはどうしても避けたいので、足がベッタリつくぐらいがおすすめ。
足つきの良さ=バイクのシートの高さだ。バイクのスペックで言うと「シート高」の項目から確認できる。
過去にもハーレーを模した国産アメリカンバイクブームがあったが、そのいずれのもバイクとはスタイルが異なり、細身なタンクから醸し出されるスマートさに女性人気も高く、特に女性がネックになる足つき性の良さともマッチしている。
- シート高690mmの最強足つき性
- (アメリカン唯一の)現行車なので新車で購入可能
- ここ数年、日本で一番売れているバイク
- つまりオプションパーツが豊富
未開の地を攻めるなら走破性:セロー250
価格(税込) | 588,500円 |
燃費 | 48.4km/L |
タンク容量 | 9.3L |
走行可能距離(燃費×タンク) | 450.12km |
シート高 | 830mm |
重量 | 133kg |
いずれキャンプ場として整備されていないような場所で野営をしたいと考えているなら、オフロードバイクも選択肢に入るだろう。
そして、Vストロームと同じく公式からキャンプ使いを想起させる写真がや、なんとも言えないダサさを醸してる公式Youtubeも公開中だ。ちなみに動画に登場するキャンプ場はゆるキャンでも有名な洪庵キャンプ場なのだが、ここへ行くためにこんな林道を走る必要は無い。
近年のキャンプブームからキャンプ場に人がごった返しているから、誰もいない未開の地へ行きたくもなる。暖かくなると人も虫も増えて嫌になる。そんな場所へ連れてってくれるセローのポイントは以下。
- 林道、砂利道も走れる走破性
- 取り回しが楽に扱える軽量感
- 元々アウトドアを想定しているので豊富なオプション展開
※残念ながらセローは2020年を最後に FINAL EDITION が発売され、すでに生産終了している。
コストを抑えたいなら燃費性:ジクサー150
価格(税込) | 352,000円 |
燃費 | 55.3km/L |
タンク容量 | 12L |
走行可能距離(燃費×タンク) | 663.6km |
シート高 | 795mm |
重量 | 139kg |
このバイクは燃費性能が抜群に良く、文字通りランニングコストを抑えることが出来る。これは平均的な250ccバイクの燃費に比べ、およそ30%ほど優れているので、ガソリン代も30%浮くということになる。これはデカい。
平均的な250cc の場合、燃費を 40km/L と仮定すると、年間10000km 走った時に掛かるガソリン代は 250L x 130円 = 32,500円となるが、ジクサー150 の場合、23,500円 の 年間9000円のお得となる寸法。
バイク自体がウン十万と掛かるせいで9000円が少額に見えるが、そんなことはないので生活費を見直したい人にはおすすめ。
さらにジクサー150の本体価格も安い。まぁ、これは150ccだから安いのだが、250ccの相場が600,000円なのに比べ 352,000円と、その差 250,000円。うーん、この100ccの割高感よ。
- 本体価格を安く抑えられる
- 燃費性能が高く維持費を安く抑えられる
- 取り回しが楽に扱える軽量感
選ぶことは何かを諦めること
今回、キャンプツーリングバイク選びの基準として、積載量、足つき性、走破性、燃費性の4つの基準から、それに適したバイクを紹介したが、当然全ての条件をカバーしているようなバイクは無い。
この記事を読んで、自分のキャンプスタイルやツーリングスタイルを想像して、自分が一番満足出来るバイク選びが出来るようになることを祈る。