夏でのキャンプは特に高所であると涼しくも感じるが、油断すると食材を駄目にしてしまうことが往々にしてある。特にキャンプツーリングとなると、バイク用のソフトクーラーバッグでは、それほどの保冷力を維持出来なかった。
だったらガチのハードクーラーボックスを付けてしまったら良いじゃないと考えて、調べて実際に取り付けるまでに至った話。キャンプツーリングでの食材の保冷について悩んでいる人は参考にして欲しい。
クーラーボックス運用に至った経緯
ことの発端は、マフラー側のサイドバッグとして取り付けていたクーラーバッグの下部が煮えてしまい、キャンプ場で作る予定だったスパイスカレーの材料のスパイスが容器ごと溶けて、バッグと融合してしまったことにある。これは完全に自業自得。マフラーのそばに食材を配置してはいけない。
以前、使用していたのは DOD の「ソフトくらこ」
キャンプツーリング道具を買い集めていた当時に買った一品だが、当時も今もバイクのサイドバッグとして取り付けられるタイプの選択肢がこれしかなかったこともあり使い続けていた。
しかし今回の一件でお釈迦になってしまったで新調しようと考えたが買い直すのもつまらないので、別の選択肢が無いか調べてみた。
クーラーバッグの弱点
今回の一件は、マフラー側に装着するという俺の運用ミスが原因ではあるが、根本的にソフトクーラーバッグの保冷力にも責任の一端があるのでは無いかと考えるのはやぶさかではない。
さらに死んだクーラーバッグのことを思い返してみると、特に愛着は無く、使い勝手の悪さがふつふつと湧き上がる。
- マフラーに溶かされる貧弱な保冷力
- 超絶開け閉めしづらいジップ
- イケてないデザイン
これらの不満をこのまま放っておいて良いのだろうか、いや良くはない。
クーラーボックスの強み
これは考え直す良い機会だと思い色々調べたが、調べれば調べるほど、これらの弱点はクーラーボックスが解消してくれるものだと気付いた。
- 密閉性から生まれる強力な保冷力
- 片手で外せるラッチ(留め具)機構
- 無骨なイケてるデザイン
さらに、ソフトには無い付加価値も分かって、俺のキャンプ生活を向上してくれる一品だと確信した。
- バイクがコケても潰れない堅牢性
- テーブル代わりにもなる
そうと分かれば話は早い。あとはバイクに取り付けられそうなイケてるクーラーボックスを探すだけ。
候補に挙がったクーラーボックス
クーラーボックスはレジャー系の各社が展開しているが、サイドバッグとして取り付けられるサイズ感に適したものは以下の2つに絞られた。
STANLEY(スタンレー) クーラーボックス 6.6L
STANLEY は抹茶色の水筒が代名詞のあの企業。基本的なスペックは以下。
サイズ(外寸) | 幅33.8cm × 高さ21.8cm × 奥行28.2cm |
サイズ(内寸) | 幅24.9cm × 高さ15.0cm × 奥行18.2cm |
容量 | 6.6L |
保冷力 | 3度以上/24時間、10度以下/27時間 |
価格 | ¥8,800 |
水筒が本業ということもあり保冷が専門の STANLEY。オーソドックスでコンパクトなクーラーボックスながら十分な保冷力を担保しているのが特徴。
可動式の取手が付いていて持ち運びに適した形状。上面は少し窪んでいて、小物が置けるスペースが確保されている。これはキャンプ場での小物(スマホ、タバコ)の居場所が無い問題にも終止符を打つ革新的アイデア。
内部は肉厚な断熱材が使用されていて、容量を割いている代わりに24時間の保冷能力が得られる。1泊のソロキャンプとして問題ないが余計なものは入れられないので食材選びは慎重にならざる得ないサイズ感。
レビューを見たところ蓋が固くて開けづらいというものが多く見られたが、それは密閉力からなるものなので、逆に保冷力を担保してくれている証。
デザインはグリーン、ホワイト、ネイビーの3色展開されていて、どれもアウトドアで馴染むものとなっている。
Makita(マキタ) クーラーボックス11L
Makita はエメラルドグリーンの工具が代名詞のあの企業。基本的なスペックは以下。
サイズ(外寸) | 幅39.5cm × 高さ21.0cm x 奥行29.5cm |
サイズ(内寸) | 幅33.0cm × 高さ14.5cm x 奥行23.0cm(明記されていないため推定) |
容量 | 11L |
保冷力 | 不明 |
価格 | ¥6,800 |
Makita はレジャー系の企業ではないが、業務用の製品を得意としていて、本製品のクーラーボックスも多くの物を積載できるように想定されている。そのため同規格の製品を重ねて固定できるギミックを搭載しているのが特徴。
スタックできる製品ゆえのコンパクトかつスマートな無駄のない形状をしていて、バイクに搭載してもガチャつくこともなく綺麗に収まってくれることが想像できる。
サイズの割に容量が大きく設計されているが、これは断熱材を薄くすることで成立しているので保冷力とはトレードオフ。
デザインは THE 無骨で正直超好み。バイクに搭載した時の色としてはかなり浮くが、有無を言わせぬ存在感がありとてもワクワクさせてくれる。
取り付けやすさで STANLEY を選択
バイクへの取り付けやすさを考えた場合、満場一致で STANLEY となった。その理由はそれぞれ以下の通り。
STANLEY
STANLEY がサイドバッグとして特に向いている点は取手が可動式になっていることだ。
サイドバッグ部分に取り付けるには、取り付けた時にバイクの横幅が最となる向きに固定する必要がある。そのため STANLEY は横に倒した状態で取り付ける必要があるが、取手を倒した状態にすればサイドバッグサポートと取手を密着させて固定させることが可能。
さらにバイクに取り付けた状態でも、蓋が開閉出来るので、キャンプ場への道すがらに買い物をしても簡単に食材をしまうことが出来るのでポイントが高い。
Makita
Makita の場合も STANLEY 同様に、取り付けた時のバイクの横幅が最小になる向きに固定するため、クーラーボックスを横に倒した状態で取り付ける必要がある。
しかし、STANLEY とは異なり、本体上面に取手と肩紐用のベルトは付いているが固定されているため、それだけだと取り付けた時どうしても不安定になることが懸念された。
さらに、そこにバイクへの固定用のベルトを通すと、取り付け状態ではクーラーボックスを開けることが出来なくなってしまうことが決定的だった。
バイクへの取り付け方法の確立
前述にもあるように、クーラーボックスをバイクに取り付けた時の横幅がなるべく小さくなることが至上命題。その上で現在取り付けられているデイトナのサイドバッグサポートでは横幅が嵩張ってしまうため、今回はサイドバッグサポートから見直した。
サイドバッグサポート
白羽の矢が立ったのが「キジマ サドルバッグスライドレール(ショートタイプ)」と「汎用サイドバッグサポート」
この製品はどちらもバイク独自のネジ穴の幅に左右されずに取り付けることができる。さらに今回の目的である横幅を最小に抑えることが出来る既製品としての最適解(自分調べ)。
固定ベルト
固定具には3本のベルトを使用する。2本はクーラーボックスを吊り下げる様に取手とサイドバッグスライドレールを固定する。もう1本はクーラーボックスのバタ付き防止用に固定する。
吊り下げ用のベルトは丈夫さが求められるので、100均のズボン用ベルトを丁度良い長さにカットして使用すればOK。バタ付き防止用のベルトは開け閉めのしやすさが大事なのでワンタッチで開閉可能なタクティクスベルトを使用した。
失敗は成功のもと
失敗は成功のもと、とはよく言ったもので失敗から学ぶことは多く、そして濃い。今回もマフラーで食材を煮るという失態からクーラーボックスというアイデアも生まれた。
クーラーボックスが強化されたことで強気にナマ物を買えるようになったし、ソフトクーラーバッグと違って上に物置けるし開け閉めが簡単だし良いことづくめ。
ということで今回はこのクーラーボックスのサイドバッグ化を紹介したが、これを参考に少しでも同じ悩みを持っている人の一助となれば嬉しい。
そして意外と手提げサイズのクーラーボックスは使い勝手良く、ふらっとクーラーボックス片手に市場(築地のような)に行けば買い物も出来て、持っていて損は無いということにも気付いた良い経験。